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入学式 式辞

入学おめでとう。みなさんはどんな小学校時代、中学校時代を過ごしてきましたか?先生の言うことをよく聞いてきましたか?宿題をちゃんとやってきましたか?水海道一高に入学してくる生徒の皆さんは本当にたくさんの愛情を先生やご両親から注がれているなぁというのが僕の印象です。そして、もちろん水海道一高でも同じように愛情を注いでくれる先生たちがそろっています。

でも、少しだけ考えてみてください。どこまで先生の言うことを聞いていれば大丈夫なんでしょうか?

附属中の新入生たちは、どこかで自分で中学受験をするという決断をしたはずです。そして、4.33倍の壁を乗り越えるための努力をしたはずです。みんなが中学受験をするわけではないので、その越え方は小学校の先生は教えてくれなかったと思います。塾の先生が教えてくれたかもしれませんが。高校の新入生たちも自分で進路を決めてそこに向かって努力をしたはずです。先生や親に言われた通りではないことを自分で決めてやってきて、いまがあるんです。このことが重要なんです。自分の次を決めるのは自分しかいないんです。

そして、みなさんは、小学校から中学校へ、そして高校へとどんどん大人の世界が近づいていきます。僕が子どものころに受けた教育では、小中高大と学校と名前の付くところではがむしゃらに勉強をし、理由もなくとにかく上を目指し、会社に入ったそのときから突然、仕事という新しいルールのことをやる、学校で学んできたことなんか何の役にも立たないぞ!と先輩に言われて、一から仕事を覚えるという世界観でした。

これも変わりました。だって聞いているだけで不自然だし、理不尽ですもんね。でも昔の日本はこんなだったんです。僕はずっとおかしいと思ってきました。だから、校長をやっています。その後、グローバル化やデジタル化、最近ではホワイト化、これからはAI化など社会の変化がどんどん激しくなり、それに対応する能力を持って社会に出ないと変化についていけないという時代になりました。社会人として生きていく術を中学高校からある程度身につけておかないと社会に出て迷子になってしまうということです。

これからはこうなります。勉強は相変わらず重要で、社会人になってからも勉強を続けないと時代についていけなくなります。特に英語は使えるレベルで身につけなければ将来のチャンスを失いますし、情報のようなより実践的な教科も高校から学ぶことになりました。一方で、中高生のうちから自分の興味を追求してそれを社会のために役立てることにチャレンジすることが重要になります。このことは「探究」と呼ばれ、将来のキャリアの最初の一歩になっていきます。ここでのポイントは当然、自分の次は自分で決めるんですから、まず自分から動くということ、そしてもう1つ、探究の成果が誰かのため社会のためになるということです。この2つはまさに仕事というものの特徴です。自分から動く、誰かのためになる、これが仕事です。人に言われた通りにやるのは作業であって、仕事ではないなんていうこともよく言われます。

勉強と同時に探究の重要性を学び、部活動や学校行事を通じてコミュニケーション能力やチームワークを学ぶ、こうして社会に出た水海道一高生は迷子になることなく、自分で道を切り拓けるでしょう。そして水海道一高には日本一の探究とキャリア教育のプログラムがあります。昨年、第12回キャリア教育連携推進表彰という経済産業省と文部科学省が主催する賞で水海道一高の海高式探究プログラムと海高クリエーティブスクールが最優秀賞を受賞しました。まだ始まったばかりのプログラムですが、きみたちと一緒に磨き上げていきたいと思っています。

水海道一高には、きみたちを受け入れる態勢はできています。あとはきみたちが水海道一高を使って、自分で動き出すだけです。自分で面白い!を見つけて学びをはじめてください。それでは、活躍を願っています。

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令和5年度 校長挨拶

海高ホームページにようこそ。

 

水海道一高は、1900(明治33)年に創立の伝統校ですが、その伝統に甘んずることなく、いまもなおつくばエクスプレスの開業以来人口増加が続く守谷市、つくば市を背景に持ち、常に教育をアップデートし続ける先進校であり続けなければならないと考えています。

 

本校の活動を紹介する「海高ダイアリー」では、伝統行事から最新の探究学習の姿まで、生徒のいきいきとした姿が見られるはずです。「面白い!から学びがはじまる」というのが本校のスローガンですが、面白い体験に触発されて学びが進んでいく様子をご覧いただければ幸いです。

 

第33代校長 福田 崇

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卒業式 式辞

 みなさん、卒業おめでとう。僕が水海道一高に来たときにきみたちは2年生、まだコロナでの制限のかかる時期でした。正直に言うと、僕はいまの高校生ってこんなに元気がないのか、と驚きました。それだけコロナの傷は深いんだと感じました。そこからどうにかみんなに元気を取り戻して欲しいといろいろやってきました。去年の春に校長になって、5月にはコロナがようやく5類になりました。しかし、それと同時にきみたちは受験生に。なかなかうまくはいきません。そんななか、まずみんなを引っ張ってくれたのは生徒会長の明るさでしょうか?学校プロモーションビデオにも出演してくれて、学校説明会でも彼の明るさにはとても助けられました。また行事を支える委員会のみんなにも助けられました。定期戦では競技のないハンドボール部が運営をがんばってくれました。亀陵祭ではあのオープニングムービーにたまげました。部活動もがんばりました。ハンドボール部、陸上部の関東大会出場、文化部でも全国大会に出た吹奏楽部や写真部、演劇部もがんばりました。もちろんこれだけではありませんが代表的なものを挙げました。秋には面接指導など進路相談をしにたくさんの生徒が僕のところにやってきました。もっと早く来ればいいのにと思う反面、よく来たなと思っていろんな話をしました。きみたちは進路を相談するために校長室のドアを思い切ってノックできるぐらいには元気になりました。そして、いまそれぞれの進路を決め、もっと元気になっていると信じています。

 

 では、その先の話をしましょう。僕は、簡単に言うときみたちにイキイキとかっこよく生きて欲しい、そして幸せになって欲しいと思って学校を運営しています。ではイキイキと生きるとは、かっこよく生きるとはなんでしょうか?大谷翔平選手の生き方はかっこいいでしょうか?かっこいいですね!それはなぜでしょうか?人がやっていないことをやっているから、つまり、自分を高め続けているからです。かっこいい生き方とは、自分を高め続ける生き方のことです。反対に、かっこわるい生き方とは易きに流れる生き方です。たとえば、きみたちの中には大学に行ったらアルバイトをしようと考えている人もいると思います。楽してお金がたくさんもらえたらいいなと思いますよね。でもそんなうまい話はないんです。もしあったとしても、そこには必ずリスクがあります。そのリスクを考えずに易きに流れていくと、最終的には闇バイトなんていうリスクしかないところに行き着いてしまいます。易きに流れる人の目は次第に死んでいきます。一方、自分を高めている人の目は輝いていきます。これは数年で大きな差になります。目が輝いていないと当然モテません。

 

 では、自分を高めるにはどうしたらいいか?きみたちはこれまで、知らなかったことを知り、その知識の使い方を学ぶということをやってきました。いわゆる勉強というものです。この方法はこれからも続きますが、大学に入る、社会に出るというのは学校という安全地帯から外に出るということで、そこではもうひとつの学び方のほうがはるかに重要になってきます。それは行動し、経験することで学ぶということです。人は自分の常識や価値観が通用しない世界、アンコンフォートゾーン、直訳すると快適ではない領域と言いますが、に身を置くと、生存本能から急激にその環境を理解し適応しようと大きな学びを勝手にします。高校から大学にいく、社会に出るというのはまさにアンコンフォートゾーンへ行くことですから大きな学びになります。もっともわかりやすいのは外国に行くことです。そこには自分の知らない常識や価値観があり、己が大いに試されることになります。このようにアンコンフォートな経験、多様な価値観を積み重ねて人は成長していきます。いっぽうで、進んで居心地の悪いところになんか身を置きたくない、自分の知っている世界だけで生きていきたいと思う人もいるでしょう。もちろんずっとそこが安泰ならばそんな生き方もありですが、人生は100年時代と長くなり、世界はひとつにつながり、未来はますます予測が難しいと言われています。おそらく同じ狭い世界がずっと安泰であることはとても珍しいことになるでしょう。たとえば、学校の先生や公務員の世界はよく安泰であるかのように語られますが、実際そこでも少子高齢化やデジタル化など大きな変化は起こり続け、その中で自分を高め続けない限り輝くことはできません。そして自分を高めるにはアンコンフォートな行動と経験が必要になってきます。安泰なんてどこにもないんです。そして、僕を見てもらえれば、まさにいま民間とは文化がまるで違うアンコンフォートな環境で仕事をすることで何かを得ようとしているのです。

 

 次に、きみたちのうちほとんどの人は勉強の集大成として大学受験を経験しました。もうこんなにはがんばれないと思った人も多いんじゃないかと思います。実際、自分のためにこれほどがんばることはもうないと思ってもいいかもしれません。みなさんは大学に行く人もそうでない人も成人として社会に出ます。社会の中では、自分のためよりも誰かのためにがんばるんです。それが社会人です。そのときに、これまでに自分のためにがんばった人ほど、ますます人や社会のためにがんばれるし、力を出せます。僕は広告代理店だったのでよくわかります。実際、自分のためにやるよりも、クライアント企業のために仕事としてやるほうがはるかにがんばれるのです。人や社会のためにがんばって感謝される、お金もいただけるというのはとてもやりがいのあることです。仮にうまくいかなかったとしてもその経験は、次の成功につながったり、同じようにうまくいっていない人を救うことにもつながる、無駄な失敗はありません。社会で人のためにがんばる、人生の本領発揮はこれからなんです。その準備にこれまでみんなは自分を高めるための勉強をがんばってきたというわけなんです。

 

 さいごにまとめます。きみたちには、これからかっこいい生き方をして幸せになって欲しい、そのために僕を含めた全先生がきみたちのためにがんばってきました。これが先ほど言った社会人のがんばり方です。きみたちがかっこよく生きるためには、行動と経験で学び、誰かのために社会のために自分を高め続けなければなりません。間違っても易きに流れて死んだ目をしないでください。自分を高め続けて目を輝かせてください。そして、モテてください。

 

 さいごのさいごに、きみたちは僕ら先生全員の宝物です。必ず幸せになってください!

 

以上。

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きみたちが、主人公です! (水海道一高ハンドブック)

  

 水海道一高へ、ようこそ。本校は120年を越える伝統校ですが、その伝統に甘んじることなく、きみたちが社会へと出ていく未来の世界に対応できる新しい学校を目指しています。その未来に求められていることはなんでしょうか?ものすごくシンプルに言えば、「自分の人生を自分で面白くする力」です。そのためには、まず自分を主人公にしなければなりません。そんなの当たり前じゃないの?と思うかもしれませんが、学校や会社、社会のシステムの中に生きていると知らず知らずのうちにやらされているだけになってしまう、なんてことは往々にしてあります。自分から社会を動かす、社会に貢献する、そんな主体的な姿でないと幸せになりにくい、面白い人生を送りにくい、これは昔から変わらないことですが、AIやロボットの発展によって主人公以外はぜんぶ自動化されていくのがこれからの世界です。

  そこで、水海道一高ではきみたちが主体的に動き出すためのさまざまなチャンスを用意しています。自分で選択する単位制の授業を基本に、選べる探究プログラム、生徒が運営する行事、キャリア教育イベントなどなど。チャンスは中学校時代よりもはるかに、そして、他の高校よりも豊富にあります。どれも面白いものばかりです。まずはそれを活かすところから主体性を発揮し始めてほしいと思っています。そして、その先は自分の意志と力で上へ上へと登って行ってください。その先に主人公を待っている未来の舞台があります。

  そんな様子を言葉にしたのが本校のスローガン「面白い!から学びがはじまる」です。それでは、これからの水海道一高生活を思いっきり主体的に生きてください。

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はじまりの年 (済美2023)

 

 コロナが5類となり、日常の空気が戻りつつある中みんなが徐々にアクセルを踏み始めた令和5年度。定期戦では地域や保護者の方をお迎えし、本校開催で実行委員が工夫を凝らした大会運営ができました(13連敗はしましたが)。亀陵祭では、亀コレの盛りあがりに、2日目にはお客様をお迎えして食べ物も提供できて、いろいろ課題は出たけれど翌年につながる行事になりました(その後コロナ出ちゃいましたが…僕もかかりました)。新しい探究プログラムもはじまり、たくさんの外部講師の方が学校にやってきていつもとは雰囲気の違う授業がくりひろげられ、学校PVでは生徒会長と次期応援団長の息の合った演技が素敵で、学校説明会も大盛況(生徒会長がよかった!との感想も)となりました。夏休みには復活したセブ島語学研修が無事行われ(帰ってきたら緒方先生にスイッチが入っていました)、キャリアガイダンスには電通とホンダから25人以上の社会人が集まってくれました。修学旅行では沖縄に行くことができました(飛行機の離陸で起こった歓声が新鮮!)。探究フィールドワークではトラックごとに行き先が違うバスツアーが組まれ僕も久々に電通に出社しました(社員証はまだ生きていました)。海高クリエーティブスクールでは、1年経っても変わらず売れていない芸人さんも再びやってきました。そして、これを書いている12月には、海高式探究プログラムとクリエーティブスクールが文科省のキャリア教育推進事業表彰で最優秀賞を受賞(まだ初年度で、皆さんの不満もたくさんあるとは思いますが、日本一になりました)!!!

 とここまで、学校行事を中心に書いてきましたが、今年一年、みんなといろんなことを一緒に経験する中で僕の感想は、みんなが自分から動けるようになってきて、動きはじめたら止まらなくなってきたということです。いくつか印象深いことを挙げると、まず亀陵祭のオープニングムービー、プロの僕が見ても大変な編集をしていて止まらないこだわりに感心!次に附属中2年生の探究。途中から勢いがついていって常総市長にプレゼンして広報に採用してもらい、ますます絶好調(間宮先生の目もギラギラしてきました)!そして、来年度の文化祭実行委員がもう止まらない!やりたい、にとどまらずどうすればやれるかちゃんと調べて提案をつくってくれました。中には行き過ぎたところもあるけれど、行き過ぎたからこそちょうどいいが見えてきました!

 春先はまだおそるおそるだったきみたちのアクセルが全開になって、そして次の春を迎えようとしています。

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夏季休業前校長講話

 

夏休みです。今日までよくがんばりました。しっかりリフレッシュしてください。

その夏休みの過ごし方ですが、この夏休みでは、「自分の時間を自分で使う」ということを意識してもらいたいと思います。日々の学校はあまりに忙しく、みなさんは自分のペースで時間を使うということがなかったかと思います。だからこそこの夏休みは自分の時間と向き合ってみてください。

いまでも覚えていますが、僕の中学校2年の夏休みは、当時ウルトラセブンの再放送がたまたまやっていて、それにはまってウルトラセブンを全部観ました。ウルトラセブンというのは子供向けではなく社会派の監督たちが社会課題をウルトラセブンというエンターテイメントを通じて表現したもので、いまでも覚えているぐらいですからこの映像体験がなんらか僕に影響を与えているんだと思います。

自由な時間があっても、何をしていいかわからないという人もいるかもしれません。いまみなさんはなんらかの探究をしていると思います。探究の課題がまだしっかり決まっていない人も多いかもしれませんが、それを見つける時間にしたり、もう見つかっている人はそれに関する本を読んだりYouTubeを見たり、実際にどこかに行ってみたり自分の興味関心で動いてみてください。それが自分で自分の時間を使うということです。

そして、高校3年生は俗にいう勝負の夏というやつです。僕自身は浪人生になってから勉強を始めましたが、浪人生って毎日が夏休みみたいなもんです。だから自分のペースで勉強をしなければならないんだけれど、そのペースを見つけるのにまあまあ時間がかかりました。そこからは淡々とそのペースで勉強をつづけました。結局、それがいちばん強いんです。なので、この夏で自分のペースをつくってください。そして、そのペースを秋になっても続けていく、無理をする必要はないです、続かないから。そうすると寒くなってきたころには自分の変化に気づけるようになります。そこからはその変化に後押しされるようにどんどんやれるようになっていきます。目標もどんどん上がっていくかもしれません。

結局、人生というのはどういう風に時間を使ったかということの積み重ねです。その時間を自分らしく、自分が心地よく使えたほうが、人生のクオリティが高まります。これまでは誰かに指示されて時間を使わされてきたことが多かったかもしれません。それを徐々に自分で使うように変わっていくのが中学、高校の時期だと思います。

この夏休み、ちょっと自分の時間について考えながら過ごしてみてください。

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受験で大切な4つのこと


進学要覧より

僕自身、人生で受験は4回経験して高校受験では開成高校、大学受験では東京大学という結果を得ており、受験という競技においては甲子園レベルだったと思っています。もちろん足が速い、野球がうまいで人生が決まらないように、受験が得意かで人生は決まりません。が、学歴というトロフィーがまだそれなりに意味を持つとするならばうまくいくに越したことはないでしょう。そこで経験者として4つの大切なことをお伝えします。

1. 受験には覚悟が必要だ
中学受験全敗、高校受験全勝、大学受験現役全敗、大学受験浪人全勝。これが僕の4回の受験の結果です。これを見て明らかなのは受験にまぐれはないということ。求める結果を出したければ覚悟が必要になります。いまは大学全入時代といって望まなければどこかには入れる時代です。ただ、なんとなく入った大学が人生に何か寄与してくれるでしょうか?納得できる進路選択のためにはまず覚悟を決めることから。

2. 覚悟をつくるには自分を知ること
自分のためにがんばるのは実はなかなか難しいことです。自分がもうここまででいいや、と思っても損をするのは自分なので、自分に甘くなりがちです。どうしたら自分に厳しくなれるかは自分の性質を知ること。僕の場合は本当に追い込まれないとがんばらないので、埼玉のド田舎の小学校から中学受験に失敗した時には悔しくて親元を離れて東京の祖母の家に居候することを迷わず決めました。大学受験で現役合格できなかった時には、高校で慶応や早稲田を蹴って開成に入っているので東大以外ない、と腹をくくれました。これらはだいぶ荒療治ですが、自分に厳しくなるのはそれほど難しいことだと知ってください。

3. 自分を成長させるには、自分が何がわかっていないか、できないかを解像度高く知ること
ここからは技術論です。受験は時間との勝負でもあります。すでにできること、わかっていることを繰り返すのは気持ちはいいかもしれませんが時間の無駄です。効率よく成長するためには自分がわかっていないこと、できないことを、できるにひっくり返す必要があります。そのために多くの人が薦めているけれどほとんどの人がやりきれないのが、これと決めた1冊の問題集や単語帳を何周も繰り返し、完璧にすることです。1周目はすべての問題をやりますが2周目以降はできなかった問題だけを繰り返します。そうしてできないと向き合ってひとつずつできるに変えるのです。僕はこれ以上の方法を知りませんが、できないと向き合うのがつらくてなかなかやり切れる人はいないのです。これで間違いなく成長できます。

4. 継続するには、生活リズムを保つ他はない
受験は時間との勝負ですが、長丁場の勝負でもあります。一夜漬けが効く世界観では当然ない。毎日いつどこで勉強するか、その最適パターンを見つけ、生活リズムを保てるかが長丁場では大きな差になります。僕は家にいるよりも人目のある図書館や学習室がもっとも効率が上がりました。夜更かしは長い目で見るといいことはありませんでした。

さいごに、何のために勉強するのか、受験するのか、についてそれぞれに答を持ってほしい、そこに納得感がないとこの競技は続けられません。僕自身は苦手、できない、をできるにひっくり返し続けることで自分のキャパが広がっていると感じ、それが実際に模試の結果などにつながってくると自分の計画の有効性を感じ、自分を信じることができました。そして、その後も何かに挑戦するときにはこの感覚を思い出しています。この感覚があるからこそ、いまもできそうもないことに挑戦できるのです。

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PTA総会あいさつ


みなさん、おはようございます。校長のフクダです。
ひさしぶりのPTA総会を開催することができました。会の効率化を考慮して総会自体は教室へのリモートとさせていただきましたが、こうしてみなさまを学校に直接お招きできたことをうれしく思っています。

 

去る5月3日には、下妻一高との定期戦が本校で開催されました。
たくさんの人にお越しいただき、実行委員の生徒たちも「観て面白い定期戦」を合言葉に大会をつくりあげ、選手たちもひょっとすると?というところまで下妻一高を追い詰めました。

 

また6月には本校の文化祭である亀陵祭が開催されます。6月10日土曜日は外部公開日となっており、みなさまにもぜひお越しいただきたいと思っています。

コロナで止まっていた世界が、動き始めたら、ものすごい勢いで加速を始めたかのようです。
今月後半からは、教育ベンチャー5社と共同開発した総合的な探究の時間が高校で始まり、附属中でも地元常総市と東京都市大学の研究者とともに開発中のアグリサイエンスバレー常総を活用した探究が始まります。
月末には放課後にゲストを招いた海高クリエーティブスクールもスタートします。


本年度、これらの学びを整備したのには意味があります。
今日はその点を少しご説明したいと思います。


学びというものには主体的な学びと、受け身の学びがあります。
これまでの学校には学校がリードする学び、つまり、生徒からすると受け身な学びが期待され、提供されてきました。
学習習慣をつくる、大学受験への道しるべになるなど、枠組みとしてやらなければならない学びがあるのにはそれなりの意味があります。
しかしながら、それが100%ではこれからの社会は生き抜く生徒は育ちません。


先ほどお話ししたように本校では、学校行事では生徒会や実行委員が、さらに各部活動が主体的な活動をしています。
そこに主体的な学びの核となる探究プログラムを整備することで生徒が主体性を発揮する機会を増やし、何事においても人任せではなく自分で動くことでしか変わらないんだという気づきを持ってほしいと思っています。


そしてその気づきは、進路選択において大きな意味を持ちます。
自分で自分の人生を切り拓いていく。当たり前のことですがその自覚を早く持った人間はそこから生き方が変わっていきます。
本校では高校3年生の三者面談時に生徒から保護者に希望進路をプレゼンする試みを始めます。自分で決めた進路だからがんばれる、納得できる、それはその後の人生につながる進路になるでしょう。


水海道一高では生徒の主体的な学びの機会をこれからも増やしていきます。
通常の授業の中にも主体的な参加が必須になっていきます。

みなさまもお子様の主体的な姿を見守りご支援いただければ幸いです。

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創立記念日にあたって(リモート講話)

 

 みなさん、おはようございます。校長のフクダです。

 今週の日曜日、4月23日が水海道一高の123回目の創立記念日にあたります。日曜日でなければ、学校はお休みだったのですが、残念でした。今日は、学校の誕生日である創立記念日にあたってお話しします。 水海道一高の創立は   1900年、下妻一高の分校としてつくられた学校です。5月に行われる定期戦は、お姉さん学校である下妻一高に、妹である水海道一高が挑む戦いなんです、実は。その下妻一高は、いまの水戸一高の分校としてつくられた学校で、たどっていくと水戸一高に端を発するというのが茨城県の高校の歴史です。


 そんな水海道一高が123回目の創立記念日を迎え124年目に入ろうとし、さらには、この少子化の環境の中でも

いまなお活力を失うことなくいられるのはなぜだと思いますか?


校長がいいから?

それも多少あるでしょうが、

土地、場所がいいからなんです。

 世の中のさまざまなことが地理的な条件に左右されている、そういうことを学ぶ学問のことを地政学と言います。地理の地に、政治の政と書きます。日本がユーラシア大陸の東の端にあることが、日本の運命をいろいろと決めてきました。ウクライナがロシアの隣、黒海というロシアにとって重要な海に面していることもウクライナの運命につながっています。

 地政学的に見ると、水海道一高のある水海道の街はかつては鬼怒川の水運で栄えました。これについてはいま社会部が研究テーマにしていると聞いています。亀陵祭などでの発表に注目しましょう。そのおかげで早い段階で高校が設置されたわけです。しかも、この亀岡という高台に。そのおかげで2015年の水害の時にも被害を免れ、避難所になりました。

 水海道一高の隣には水海道小学校があります。その創立は1873年、創立150年です。この場所がどれだけ安全で学びのために適した場所だと先人たちが考えていたかの証です。

 ところが、鬼怒川の水運は役割を終え、水海道の街は廃れていきました。水海道一高も元気を失ってもおかしくありません。そこに、新たな陸の交通が開業しました。TXです。2005年に開業しました。おかげで沿線の守谷市、つくば市はこの少子化の中でも人口が増えている極めて稀な自治体となっています。その人口増に、水海道一高という伝統校が受け皿となったのです。

 こう話してくると、ただ運が良かっただけなんじゃないか?と思った人もいると思います。地政学はたしかに運命めいた部分があります。しかしながら、その運命を生かすも殺すもそこにいるプレーヤー次第なのです。それを担ってくれたのがきみたちの先輩であるOB、OGたちです。本校を支える先生たちの中にもOB、OGがたくさんいます。

 いま、もし水海道一高が、いい学校としてこの地にあり続けられなければ、TXに乗って、千葉へ、東京へとどんどん生徒たちが流出してもおかしくない状況です。みなさんが行きたいと思ってやってきてくれたこの水海道一高をこの先も輝かせるのが校長である僕の仕事です。でも実際にその輝きを放つのは、そのプレーヤーは、これを聴いている生徒のみなさんです。

 

まとめます。

水海道一高は地政学的に大事な場所に立っている。

それは今も昔も幸いなことに同様である。

そして、学校を輝かせるのはいつの時代も生徒であるみんな、である!

今日からまた新しい気持ちで、どうぞよろしく!

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入学式 式辞

 

桜の季節もあっという間に過ぎ去り、本校の木々にも新しい芽が出てきました。そして、いま本校に、高校1年生240人、附属中1年生40人のキラキラした新しい芽を迎えることができることを心よりうれしく思っています。4月よりマスクのルールも個人の判断となり、ようやく青春が戻ってきました。本日は、座席の間隔を開けるために保護者の皆様の参加が1名ずつとなってしまったことは誠に申し訳なく思っています。一方で、5月3日に行われる下妻一高との部活動対抗戦、定期戦は本校で有観客で行います。6月には本校の文化祭にあたる亀陵祭を一般公開します。どちらの行事も生徒による実行委員会が、自分たちが楽しむだけでなく観る人にどう楽しんでもらうか、をテーマに企画を立てています。新入生の皆さんも大いに参加してください。

 

さて、突然ですが、みなさんが大人になって生きる未来は、正解がない未来だと言われています。いまから10年前、ダボス会議という世界のトップリーダーが集まる会議でこんな報告がありました。「2013年に小学校に入学する子供たちの65%が、現時点では存在しない完全に新たな職種、仕事につくことになる」と。まさに正解がない未来を象徴する報告です。そして2013年に小学校に入学した子供たちはいま高校2年生です。みなさんより先輩です。その人たちが社会に出るときには、これまでなかったような仕事に就く可能性が65%なんです。本当でしょうか?

 

それがどうやら現実になりそうなんです。みなさんは最近話題のChatGPTは知っていますか?もう触ってみましたか?まだの人は調べてぜひ試してください。驚きの未来がそこにはあります。ChatGPTはジェネレーティブAIというAIの一種で、ジェネレーティブというのはものを産み出すという意味です。AIに文章で正確な指示を出せば、自然な文章で答えてくれます。たとえば、「あなたは水海道一高という学校の校長です。入学式で正解のない未来をテーマにした式辞を書いてください。」という指示をAIに出すとスラスラと文章を考えてくれるのです。これでもう長くてつまらない話をする校長という仕事がひとつなくなります。また、プログラミング教育がこれからは大事だ、と日本政府が言い出して「情報」という新しい教科ができましたが、ChatGPTにプログラムを書いてと言えば書いてくれる時代が突然やってきました。これでプログラマーという仕事がなくなるかもしれません。実際は、プログラマーがChatGPTを優秀なアシスタントとして活用するようになることが予想されています。将棋の藤井聡太さんがAIを使って自分のレベルアップを図っているようなイメージでしょうか。その他、ジェネレーティブAIは文章だけでなく、画像や動画だってつくってくれます。これによりたくさんの職業がなくなり、新たな仕事が生まれるというのは大いにありうる話なのです。

 

いずれにしろ、みなさんはAIが存在する未来を生きます。シンギュラリティというAIが人間の知能を追い越すことが2045年ごろには起こると言われ、ChatGPTの登場でそれが早まるとも言われています。これからはAIを使いこなす側になるのか、AIに使われる側になるのかで未来が大きく変わってきます。AIを使いこなすには、国語、英語といった言語能力がますます重要となります。AIとコミュニケーションができなければ何も始まりません。さらにその文章が論理的である必要があります。ここで数学的な思考が必要になります。そのうえで異なるものを結びつけて新しい価値を生み出すクリエーティブな能力が必要です。クリエーティブな能力はどれだけいろいろな面白いことに触れて吸収してきたか、その出会いの質と量と、そこをきっかけに自ら掘り下げる探究力が勝負どころとなります。みながAIを優秀なアシスタントにして、藤井聡太のクリエーティブな一手を生み出さなければならないのです。

 

学校教育は、生徒が社会に出たときに通用するための能力を逆算して提供する必要があります。そして未来は大きく激しく変わっていきます。コミュニケーション能力、論理的思考といった変わらない基礎的な部分を鍛えるとともに、本校では、クリエーティブな能力を身につけるために、海高式探究プログラムというオリジナルなプログラムを実績のある教育ベンチャー5社と共同開発しました。今年度からはじまります。楽しみにしていてください。さらに海高クリエーティブスクールという放課後にクリエーティブなゲストを招いたトークイベントも定期的に開催します。ここまで述べてきたような正解のない未来に、学校も先手を打って、みなさんのためのジャンプ台になります。

 

ただ、勘違いしないでください。ジャンプ台を使ってジャンプするのはみなさん自身です。学校が未来に連れて行ってくれるわけではありません。未来を切り拓くのはみなさん自身なのです。

 

今日は少し難しい話をしたかもしれません。この原稿は学校ホームページにも掲載予定ですので、改めて読んでみてください。たぶんChatGPTがつくった文章よりはちょっとはましなはずです。

 

それではみなさん、ジャンプする準備はオーケーですか?正解のない未来は、正解をつくるチャンスに満ちあふれた未来です。水海道一高でたくさんの経験をして、どこまでも高く飛んでいってください。

 

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始業式 式辞

 

新中学2年生、新高校2年生、新高校3年生のみなさん、春が来ました。新しい学年のスタートです。まず最初にですが、副校長から副がとれて校長になりました福田です・・・あのー、シンプルな質問があるんですけど・・・みなさん、歓迎してくれますか??(拍手の予定)ありがとう、がんばりますよ。

 

それでは校長になって最初の話をしたいと思います。今年度はようやくコロナ禍を脱して、学校は平常運転に戻ることができると思います。まず4月から学校でのマスクのルールも変わり、個人の判断となりました。もちろんはずしにくい生徒がいるのは当然です。学校としては、つける自由もつけない自由も尊重します。なので、みなさんもお互いの判断を尊重してください。

 

そして、5月にある定期戦、6月にある亀陵祭などの学校行事も公開で行います。お客さんが入ります。なので、自分たちが楽しむだけでなく、見る人を楽しませるという視点で学校行事もつくっていかなければなりません。これについてはすでに生徒会や各実行委員会が意識して動き始めてくれていますが、全校生徒が見にくる人を楽しませるという視点を持ってください。

 

学びも次のフェーズにいきます。各教科の学びに加え、特に中学、高校1年、高校2年の総合的な探究の時間の充実を思いっきり図ります。楽しみにしていてください。面白いゲストを呼んだ課外イベントも引き続きやりますので、こちらもお楽しみに。

 

そして、今日、始業式にあたってみなさんに伝えたいのは次の1つのことです。新中学2年生も新高校2年生も1年が経って学校には慣れたと思います。そこで、これからは、学校を含めた自分の時間を、自分の目指すところに向けて、自分を主語に、意識的に使うことを心がけてください。青春の時間は限りがあります。そしてこの時間は特別です。この時間の君たちの吸収力は人生でマックスになります。その後は正直言ってダダ下がりです。いま何を経験し何を吸収したかがその後の人生を左右すると言っても言い過ぎではありません。

 

特に高校3年生はわかっていると思いますが、これからの時間の使い方が重要です。部活で悔いのない成果をあげる、文化祭はじめ青春を楽しむ、勉強で自分自身をレベルアップする、そして、進路という具体的な目標に向かってしっかり対策をする、忙しい日々がやってきます。

 

その時間を有意義なものにするのに重要なのは、自分を知ることです。いまの自分は何ができて何がわかっていて、何がまだできないのかわからないのか、このことをクリアにしてください。これは部活でも勉強でもいっしょで、できないことをできるにひとつでもひっくり返すことで自分は確実に変われる、成長できるのです。そして、その作業を繰り返しながら、自分はどうなりたいのか、どんな人生を生きたいのか、どんな信念にしたがって生きるのか?それを考え続けてください。

 

時間の効率においても、すでにできること、長所を伸ばすよりもまだできないこと、短所を補う方が効率がいい、なぜなら伸びしろがあるからです。また長所っていうのは、あえて時間をかけなくても勝手に伸びていくものです、だからこそ短所を意識してそこから逃げずに克服する必要があります。これは当然かなりつらい作業になります。でもそれが成長への近道なのです。また、正直な話、おそらくこんなに短所と向き合って克服するのは、これからの人生の中でこの1年が最後かもしれないんです。なぜなら、君たちは高校を卒業したその先の人生は自分の責任で生きていくことになります。簡単に言えば、苦手なことからは逃げることだってできちゃうんです。だからこそ、いま逃げずに自分の短所と向き合って克服をする経験が大事なんです。ここでやっておかないと、この先逃げるしか方法がなくなります。時には克服しなければならないことがあっても、経験のない人間にはできません。いまここで苦手や短所を克服し自分を成長させた、自分のキャパを拡張させた経験は必ず後の人生に活きるんです。僕は勉強とは究極そのためにやるものだと思っています。

 

いっぽうで、中学2年生、高校2年生はいまのうちに長所をガンガン伸ばしてください。それが将来のアドバンテージになりますし、将来の自分を決める特長にもなります。この長所がはっきりしている人とぼんやりしている人では、これからの道の見え方が変わってきます。人は好きなことは勝手に追い求めるものです。そしてその結果が人生という道になっていきます。ぼんやり生きるよりくっきり生きた方が、生きがいがあるのはわかりますよね?そして長所がはっきりしていれば、いざ短所を補わなければならない時にも短所もはっきり見えているから、覚悟さえ持てば、短所に挑めるはずです。

 

ということで、どの学年の生徒も今年一年で自分のキャパを目一杯広げてください。そのために自分を主語に、自分の目指すところに向けて、自分の時間を使ってください。学校は、きみたちに何かをやらせる場所ではなく、きみたちがやりたいこと、やると決めたことを全力でサポートする場所です。最初の一歩は常にきみたちから動き出してください。自分でやりたい、やると決めてください。誰かにやらされたことではキャパはひろがりません。

 

そして、どうか、自分の人生を生きてください。そして、いい人生にしましょう。