お知らせ

入学式 式辞

入学おめでとう。みなさんはどんな小学校時代、中学校時代を過ごしてきましたか?先生の言うことをよく聞いてきましたか?宿題をちゃんとやってきましたか?水海道一高に入学してくる生徒の皆さんは本当にたくさんの愛情を先生やご両親から注がれているなぁというのが僕の印象です。そして、もちろん水海道一高でも同じように愛情を注いでくれる先生たちがそろっています。

でも、少しだけ考えてみてください。どこまで先生の言うことを聞いていれば大丈夫なんでしょうか?

附属中の新入生たちは、どこかで自分で中学受験をするという決断をしたはずです。そして、4.33倍の壁を乗り越えるための努力をしたはずです。みんなが中学受験をするわけではないので、その越え方は小学校の先生は教えてくれなかったと思います。塾の先生が教えてくれたかもしれませんが。高校の新入生たちも自分で進路を決めてそこに向かって努力をしたはずです。先生や親に言われた通りではないことを自分で決めてやってきて、いまがあるんです。このことが重要なんです。自分の次を決めるのは自分しかいないんです。

そして、みなさんは、小学校から中学校へ、そして高校へとどんどん大人の世界が近づいていきます。僕が子どものころに受けた教育では、小中高大と学校と名前の付くところではがむしゃらに勉強をし、理由もなくとにかく上を目指し、会社に入ったそのときから突然、仕事という新しいルールのことをやる、学校で学んできたことなんか何の役にも立たないぞ!と先輩に言われて、一から仕事を覚えるという世界観でした。

これも変わりました。だって聞いているだけで不自然だし、理不尽ですもんね。でも昔の日本はこんなだったんです。僕はずっとおかしいと思ってきました。だから、校長をやっています。その後、グローバル化やデジタル化、最近ではホワイト化、これからはAI化など社会の変化がどんどん激しくなり、それに対応する能力を持って社会に出ないと変化についていけないという時代になりました。社会人として生きていく術を中学高校からある程度身につけておかないと社会に出て迷子になってしまうということです。

これからはこうなります。勉強は相変わらず重要で、社会人になってからも勉強を続けないと時代についていけなくなります。特に英語は使えるレベルで身につけなければ将来のチャンスを失いますし、情報のようなより実践的な教科も高校から学ぶことになりました。一方で、中高生のうちから自分の興味を追求してそれを社会のために役立てることにチャレンジすることが重要になります。このことは「探究」と呼ばれ、将来のキャリアの最初の一歩になっていきます。ここでのポイントは当然、自分の次は自分で決めるんですから、まず自分から動くということ、そしてもう1つ、探究の成果が誰かのため社会のためになるということです。この2つはまさに仕事というものの特徴です。自分から動く、誰かのためになる、これが仕事です。人に言われた通りにやるのは作業であって、仕事ではないなんていうこともよく言われます。

勉強と同時に探究の重要性を学び、部活動や学校行事を通じてコミュニケーション能力やチームワークを学ぶ、こうして社会に出た水海道一高生は迷子になることなく、自分で道を切り拓けるでしょう。そして水海道一高には日本一の探究とキャリア教育のプログラムがあります。昨年、第12回キャリア教育連携推進表彰という経済産業省と文部科学省が主催する賞で水海道一高の海高式探究プログラムと海高クリエーティブスクールが最優秀賞を受賞しました。まだ始まったばかりのプログラムですが、きみたちと一緒に磨き上げていきたいと思っています。

水海道一高には、きみたちを受け入れる態勢はできています。あとはきみたちが水海道一高を使って、自分で動き出すだけです。自分で面白い!を見つけて学びをはじめてください。それでは、活躍を願っています。